先に、漢字の起源をご説明します。
まな板の元となったのは、古代中国の「俎(そ)」という道具と言われています。
まな板の漢字表記である「俎、俎板」も、この「俎(そ)」から字を取ったものです。
「俎(そ)」は板に4本足のついた台の形をした道具のことで、神聖な儀式で供物を乗せたり、肉や魚を切り分ける調理台として使用しました。
それが古代日本に伝来し、食材を切り分ける「まな板」の原型となったとされています。
まな板の漢字に「俎(そ)」が改めて当てられたのは、日本に仏教や漢字が伝わった奈良時代以降です。
平安時代に作られた辞書「和名類聚抄」に、「中国の俎は、音はソで、和名は末奈以太(まないた)」と説明があります。
このことから、
・調理用の台が日本では「まな板」という名前で使われていたこと
・「俎(そ)」とまな板が同じ使い方のものと考えられて、まな板の漢字に「俎」が当てられたこと
がわかります。
まな板はとても古くからあり、「俎」と書いて「まないた」と読む起源も1000年以上の歴史があったなんて驚きですよね。
\「俎板」という書き方も、「俎」をまないたと読ませるために生まれた表記ではないかと言われています。